みずほ女性クリニック

低用量ピル(OC/LEP)専門外来

低用量ピル専門外来」を開設しました。当クリニックのピル専門外来の特徴として、ピルの副作用克服に重点を置いて処方しています。

低用量ピル(経口避妊薬:Oral Contraceptive以下OC)とはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンの合剤です。OC内服で、すぐれた避妊効果以外に生理痛・生理不順・生理前の不快な症状改善などの副効用により、日常生活のリズムがたてやすくなります。また2008年には子宮内膜症や月経困難症の治療薬としても保険適応になりました(LEP製剤)。保険で処方するピルをLEP製剤とよび、OCとは区別しています。当クリニックでは患者さんの病状に応じてOCおよびLEP製剤を選択しています。なお低用量ピルの診療は、OC/LEPガイドライン2015年度版(日本産科婦人科学会)にもとづいて実施しています。

当クリニックで処方している低用量ピル
OC :シンフェーズ・アンジュ・ラベルフィーユ・マーベロン・ファボワール
LEP:ルナベルULD・ヤーズ・フリウェルLD・ヤーズフレックス
ヤーズフレックス
ヤーズフレックスは、最長120日間の連続投与が可能となり、年間の月経回数を減少させます。子宮内膜症にともなう様々な疼痛を改善したり、従来の製剤よりも月経痛の日数を減少させます。しかし連続投与のため、不正出血がいつ起こるかが予測しにくい欠点もあります。
また、無月経の期間が長くなるため、もし妊娠した場合、妊娠に気づくのが遅れるという重大な欠点があります。バイエル薬品の薬剤説明書にも、この欠点の記載が漏れていますので、ご注意ください。
服用方法については、ピルに関する知識をご覧ください。

低用量ピルの効果

いくつかのマイナス面もあります

  1. (1) 吐き気・浮腫・倦怠感・不正出血・頭痛・乳房の張りなどの副作用がでる場合もありますが、通常は、服用開始1~2ヵ月でおさまることが多いです。
  2. (2) 肝機能障害、循環器障害などの副作用
  3. (3) 動静脈血栓症(通称・エコノミークラス症候群)が発症することがあります。血栓症とは、血管の中で血液が固まる現象です。まれではありますが、発症すると重篤な結果をまねくこともあり、早期の対応が必要です。血栓症については、後ほど詳細に記載いたします。
  4. (4) 子宮頸がん・乳がんの発症がわずかに増加します。

当クリニックではピルのマイナス面の克服に重点をおいた処方を実施しています

OC(自費診療ピル)処方の流れ

予約は不要です。下記はOC処方の流れです。なお保険適応のLEP製剤については、より厳密な検査および管理が必要になり、予約をおすすめします。

初回:
身長・体重・血圧測定の後に、問診により患者さんの健康状態をチェックします。問題が無ければ、2シートを上限に処方いたします。また初回は原則的に、内診不要です。
2回目以降:
毎回、体重・血圧測定・問診を実施し、健康状態を把握します。患者さんの状態とご希望を踏まえて、6シートを上限に処方いたします。
定期検査のお願い:
副作用チェックのために以下の検査をお願いしております。
3-6シート目処方時:
内診・経腟超音波検査・血液検査(肝機能など)をお願いします。なお当クリニックでOCを処方されている方に対しては、経膣超音波検査は1,500円(税込)にて実施しています。また子宮頸がん検診もおすすめしています。1年以内に子宮頸がん検診を受けられている方はその結果をご教示ください。
それ以降:
初回血液検査より1年毎に血液検査・内診・子宮頸がん検診・経膣超音波検査をお願いしています。当クリニックでOCを処方されている方は、経膣超音波検査は1,500円(税込)となります。なおリスクのある方は、6ヵ月毎の血液検査をお願いします。

自費診療費(消費税含む)

項目費用
ピル初診料1,000円
ピル再診料(検査等がある場合の診察料)500円(1,000円)
アンジュ・ラベルフィーユ (1シート/6シート)*2,200円/2,000*円
ファボワール(1シート/6シート)*2,250円/2,050*円
マーべロン・シンフェーズT28(1シート/6シート)*2,400円/2,200*円
血液検査(低リスク・高リスク)3,200・3,600円
Dダイマー(クリニック内実施)1,800円
乳腺エコー5,600円
子宮頸がん検診2,900円
クラミジア検査(子宮頸部)2,350円
淋菌検査(子宮頸部)2,350円
クラミジア・淋菌(子宮頸部)3,300円

処方費用例

初診 アンジュ 2シート処方1,000円+アンジュ2,200円☓2シート
=5,400円
再診 ファボワール 6シート処方500円+2,050円☓6シート
=12,800円
再診 アンジュ6シート処方+血液検査(低リスク)1,000円+2,000円☓6シート+3,200円
=16,200円
低用量ピルの専用問診票ダウンロード(PDF)

※患者さまのご相談を見過ごさないようにするため、ご記載は赤ペンにてお願いしております。

ピルに関する知識!!

各項目の詳細をぜひご覧ください。

各種避妊法の失敗率(100人の女性が1年間に妊娠する率)

方法理想的な使用(%)一般的な使用(%)
経口避妊薬(OC)0.38
殺精子剤1829
薬剤付加IUD 銅付加IUD0.60.8
黄体ホルモン付加IUD0.10.1
コンドーム215
リズム法(オギノ式)1~925
避妊手術 女性0.50.5
男性0.10.15
避妊せず8585

中用量ピルと低用量ピルの違い

ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤ですが、卵胞ホルモンの含有量により、中用量ピル、低用量ピルに分類されます。中用量ピルはホルモン量が多いため、低用量ピルがより安全と考えられ、日常診療に頻用されています。最近ではピルといえば、低用量ピルをさすことが多いです。

低用量ピルの種類

ピルは様々なメーカーから多種類が発売されています。ピルの主成分は卵胞ホルモンと黄体ホルモンですが、黄体ホルモンの種類により第1世代ピル(NET:ノルエチステロン配合)、第2世代ピル(LNG:レボノルゲストレル)、第3世代ピル(DSG:デゾゲステレル)、第4世代ピル(DRSP:ドロスピレノン)に分けられます。また服用するホルモンの配合量により1相性、2相性および3相性に分けられます。すべての錠剤のホルモン配合量が同じものを1相性ピル、配合比率が2(3)段階に変化するものを2(3)相性ピルといいます。

第1世代ピル
当クリニックでは3相性ピルとしてシンフェーズ、1相性ピルとしてフリウェルLD・ルナベルULDを採用しています。フリウェルLD・ルナベルULDは月経困難症に特化した治療用ピルです。ルナベルULDは他のピルに比べてホルモン量が少なく、理論的には副作用が少ないとされています。
第2世代ピル
日本で一番、普及しているピルです。子宮内膜が安定するため、服用中の不正出血の頻度が低く、休薬期間中の月経もきちんと起こることが多いという特徴があります。いずれも3相性ピルです。当クリニックではアンジュとラベルフィーユを採用しています。ラベルフィーユはジェネリックのピルです。
第3世代ピル
いずれも1相性ピルです。他の世代のピルと比べて男性ホルモンの作用が少ないことが特徴です。ピルはもともとニキビに対して効果がありますが、このタイプのピルは特に効果が高いです。当クリニックではマーべロンとファボワールを採用しています。ファボワールはジェネリックの低用量ピルです。
第4世代ピル
ヤーズが該当し、1相性ピルです。超低用量化されているため、卵胞ホルモンによる吐き気、頭痛が起こりにくく、軽度の利尿作用があるので、生理の前の浮腫(むくみ)や月経前症候群(PMS)に対しても効果が期待出来ます。男性ホルモン低下作用も強いです。一時期、世界的に血栓症の報告が相次ぎ、血栓を起こしやすいピルとしてWHOからも危険視されましたが、現在は他のピルと変わらないと考えられています。
ジェネリック医薬品とは
よく「ファボワール(ジェネリック医薬品)とマーベロン(先発医薬品)の成分はまったく同じ」との表現がありますが、これは正確ではありません。ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許期間が過ぎた後に他のメーカーから製造・販売されて、主成分、効果が同じとされている医薬品です。ジェネリック医薬品は開発費用が安くすむので、その分安価で販売できますが、先発医薬品と効果のある主成分は同じでも、その他の添加物や製造工程などは異なっている場合があります。したがって、効果や副作用に若干の違いがある可能性もあります。

ヤーズフレックスの飲み方

ヤーズフレックスは、最長120日間の連続投与が可能となり、年間の月経回数を減少させます。子宮内膜症にともなう様々な疼痛を改善したり、従来の製剤よりも月経痛の日数を減少させます。しかし連続投与のため、不正出血がいつ起こるかが予測しにくい欠点もあります。服用方法を記載いたします。

服用方法
① 最長120日まで連続服用が可能です。その後、4日間の休薬期間を設けます。
② 服用中に3日間連続する出血が出現した場合は、その翌日から4日間の休薬期間を設けます。その後、再度、服用を再開します。
③ 服用開始から24日目までは出血の有無にかかわらず服用してください。
④ 長期服薬の場合、不正出血の可能性も高くなります。その状況には個人差があるので、出血の発現状況(時期)にあわせて、次周期の服用連続日数を調節することで、出血をコントロールします。

ピルを服用できない方

動静脈血栓症

血栓症とは血液が血管の中で固まってしまって、血液が流れなくなる病気で、重症化した場合は死にいたることもあります。日ごろから、脱水などには十分に注意してください。日本産科婦人科学会からは以下のような見解が発表されています。

  1. (1) 海外の疫学調査によると、ピルを服用していない女性の静脈血栓症発症のリスクは年間10,000人あたり1~5人であるのに対し、ピル服用女性では3~9人と報告されています。一方、妊娠中および分娩後12週間の静脈血栓症の発症頻度は、それぞれ年間10,000 人あたり5~20 人および40~65人と報告されており、妊娠中や分娩後に比較するとピルの頻度はかなり低いことがわかっています。
  2. (2) カナダ産婦人科学会によると、静脈血栓症発症により、致死的な結果となるのは100人あたり1人で、ピル使用中の死亡率は100,000人あたり1人以下と報告されています。
  3. (3) ピルの1周期(4週間)あるいはそれ以上の休薬期間をおき、再度内服を開始すると、使用開始後数ヶ月間の静脈血栓症の高い発症リスクを再びもたらすので、中断しないほうがよいといわれています。
  4. (4) 喫煙、高年齢、肥満はピルによる静脈血栓症の発症リスクが高いといわれており、注意が必要です。
  5. (5) 欧米では、静脈血栓症の発症は以下の症状(ACHES)と関連することが報告されていますので、ピル内服中に症状を認める場合には医療機関を受診してください。

ピルの有益性は大きく、女性のQOL向上に極めて効果的です。ピル内服中の血栓症の発症頻度は低いものの、いったん発症すると重篤化するケースもありますので、服用中に上記の症候がみられた場合は、ただちに服用を中止し、処方元の医療機関を受診してください。早期の診断、治療により重症化を防ぐことができます。

飲み忘れに気付いたら(避妊効果の観点から)

1回分飲み忘れた場合(飲み忘れから24時間以内)
気がついた時点で1錠飲みます。次はいつも飲む時間に飲みます。
1回分飲み忘れた場合(飲み忘れからまるまる24時間)
今日と昨日分を合わせて2錠飲みます。次はいつも飲む時間に飲みます。避妊効果が下がっている可能性があるので、7日間はコンドームなど他の避妊法を併用してください。
2回分飲み忘れた場合(飲み忘れから24時間以上/最後の実薬服用から48時間以上)
そのシートの服用は中止して、次の生理がはじまったら新しいシートで再開してください。その日に出血があったら、その日から新しいシートで再開してください。避妊効果がない可能性があるので7日間はコンドームなど他の避妊法を併用してください。
偽薬(プラセボ錠)を飲み忘れた場合
飲み忘れても、特に問題ありません。間違わないように飲み忘れた分は、飲んだつもりで破棄しておきましょう。

低用量ピルと他の薬の相性

抗菌薬:
リファンピシン(効果が弱くなる可能性があります 他の抗生剤は問題なし)
三環系抗うつ薬:
イミプラン(イミプランの効果が強くなる可能性があります)
抗てんかん薬:
フェニントイン・カルバマゼピン・フェノバルビタール・プリミドン・トピラマート(ピルの効果が弱くなる可能性があります 抗てんかん薬の効果が弱くなる可能性があります)
アセトアミノフェン:
ピルの効果が強くなる可能性があります アセトアミノフェンの効果が弱くなる可能性があります
セントジョーンズワート:
ピルの効果が減弱する可能性があります。

製薬会社くすり相談窓口のご案内

薬を安全にお飲みいただくために、心配や不安なことがあったときは、各社相談窓口もございます。

低用量ピル(OC ・LEP製剤)
ルナベル
日本新薬 医薬情報センター くすり相談窓口
0120-321-822
月~金曜日 9:00~17:30(土・日曜日、祝日をのぞく)

富士製薬工業株式会社 富山工場/学術情報課
076-478-0032
月~金曜日 9:00~17:00(土・日曜日、祝日、当社休日をのぞく)
フリウェルLD
持田製薬株式会社 くすり相談窓口
0120-189-522 03-5229-3906
月~金曜日 9:00~17:40(土・日曜日、祝日、会社休日を除く)
ヤーズ
バイエル薬品株式会社 くすり相談
ヤーズ専用ダイヤル 0120-113-225
365日24時間
シンフェーズ
科研製薬株式会社 電話相談窓口 医薬品情報サービス室:
0120-519-874
月~金曜日 9:00~17:00(土・日曜日、祝日を除く)
アンジュ21・28
あすか製薬株式会社 くすり相談室
0120-848-339
月~金曜日 9:00~17:30(土・日曜日、祝日、当社休日をのぞく)
ラベルフィーユ21・28
富士製薬工業株式会社 富山工場/学術情報課
076-478-0032
月~金曜日 9:00~17:00(土・日曜日、祝日、当社休日をのぞく)
マーベロン21・28
MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
0120‐024‐964
月~金曜日 9:00~18:00(土・日曜日、祝日、製造販売会社休日をのぞく)
緊急避妊薬
ノルレボ
あすか製薬株式会社 くすり相談室
0120-848-339
月~金曜日 9:00~17:30(土・日曜日、祝日、当社休日をのぞく)